
2月13日香川県民ホールにて本年度第2回の地方自治セミナーに参加してまいりました。東京大学名誉教授 大森 彌(わたる)先生を迎えこれからの自治体再編を詳しく、またユーモア交えた講演をしていただきました。その一部を簡単に私なりに解釈し、ご説明させていただきます。
現在の合併推進に対しての特例法期限が平成17年3月に迫ってきております。そういった中で今後の合併推進について説明がありました。
まず、合併特例法とは何かを簡単にご説明します。
“昭和の大合併”の後を受けて昭和40年に制定された「市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)」は、合併協議会の設置や住民発議制度の制定、合併する場合の各種の特例(議会議員の定数特例や地方交付税の特例)を定めた法律ですが、平成11年7月に法の一部改正が行われ、合併特例債を柱とする財源措置が創設されました。なお、この法律は平成17年3月31日を期限とする時限立法で、有効期限の延長は行わないとされています。
この中では、市町村合併は地域が自主的に進めるべきことをうたっています。つまり市町村合併は、国や県の指示によるのではなく、地域の自律的、主体的な判断によって行われるものと考えられます。
まず財政措置を説明します。地方交付税の算定ですが、合併が行われた日の属する年度及びこれに続く10年間について、合併関係市町村が合併しなかった場合と同様に算定されます。なお11年度目から5年間で段階的に縮減され1つの市町村としての算定額になります。これは合併前の市町村が存在するものとみなして、普通交付税の額を保障することで、今後の地方交付税の減少に比べると大きな違いになります。
次に、合併特例債についてですが、市町村建設計画に基づく次の事業や基金の積立てで特に必要と認められるものは、合併後10年間に限り地方債を充当(対象事業費の95%)でき、その元利償還金の70%が基準財政需要額に算入されます。また、市となる場合の緩和要件として ① 人口要件は4万人以上(通常は5万人以上)。ただし、平成16年3月までに合併をした場合は3万人以上で市に。②市と市、市と町村が新設合併した場合、要件を備えない場合でも市となることが可能。他にも議員在任特例法などがありますが、簡単にはここまでにしておきます。
このような特例法があるなかで、17年度以降は合併特例債等、現行のような財政支援措置はとらないというのです。これは言い方を変えれば、交付税等は合併したところには確実にあげますが、しないところは自分たちでしなさいということです。県内各市町においても年々交付税は減少していく中で、やっていけない自治体は確実に合併しないといけなくなってくるわけです。しかし反面に合併に関する障害を除去するための特例は引き続き残っていきます。合併算定書や地方税の不均一課税、議員在任特例などです。
また県が市町合併に関する構想を策定しあっせん勧告をすることですが、この構想は現行の合併特例法の下で合併にいたらなかったが基礎自治体の規模や能力の充実を図るために、なお合併を行うことが期待される市町を対象としています。
ではこれからずーっと合併は推進していくのですかということになりますが、一部の報道機関では合併により市町村の数が1700台になると予想しています。約670ある市の数は減らないとすれば、町村が1000ほどになる勘定である。それほど減るかどうか判らないが、2000を切るかどうかが取り沙汰されていますから、その場合でも1000以上の町村がなくなることになります。
昨年の11月の総選挙では、政権党は、従来の閣議決定にて1000にする目標を公約に掲げましたから、現行合併法の期限内にこれを達成できないと、しかもその意思を捨てない限り17年度以降も市町村合併の推進は続くことになります。
しかし、この1000という数字はどういった根拠でこうなったのでしょうか。大森先生の話では1000の出所は、おそらく小渕総理のときの「日本経済再生への戦略」であります。そのときの考え方は「全国に約670ある市は人口要件を満たしてないことが多く、周辺と統合して450にする。約550ある郡を一つの市にする。そうすれば最大1000になる」というものであった。ちょっと簡単に考えすぎでしょうがしかし、これが与党・政府の目標になったように思われます。
地方自治組織を設置するべきということも話されました。基本的な考え方は市町内の一定の区域を単位とし住民自治の強化や行政と住民との協動の推進を目的とする組織として地域自治組織市町村の判断によって設置することができるというものです。この自治組織に市町村の事務を分掌し、地域住民や町内会、NPO、コミュニティ等と協働することで出来るだけ住民の意向を反映する。また、この組織は市町村が任意で設置できる制度で、合併した市町村に限り、法人格を有するタイプ(特別地方公共団体)を旧市町村単位に合併後の一定期間設けることが出来る制度です。分掌事務や区域名称などは自主性を尊重し、長は市町村長が選任する。協議会の構成員は無報酬とする。
都道府県合併について、現在の地方自治上は都道府県の発意により合併することは出来ません。ですから現行の手続きに加えて、市町村合併の場合と同じように都道府県の自主的合併手続きの整備を検討しているそうです。
道州制については、現在の地方自治制度の大きな変革であり国民的な意識の動向を見ながら議論していきます。
道州は、基礎自治体との適切な役割分担のもとに圏域全体の視野にたった産業振興、雇用、国土保全、広域防災、環境保全、広域ネットワークなどの分野を担当する。そして1番大きなことは国の地方支分部局が持つ権限は例外的なものを除き道州に移管することです。また国から道州、道州から基礎自治体への関与は必要最小限となります。そして自立性を高めることが原則ですから、地方税の大幅拡充と新たな財政調整の仕組みを検討します。
市町村合併を考える中で、今後は道州制と平行して考えていかなければならないと思います。現在、地方では合併しなくてはやっていけない状況でありますが、市町合併だけでは本来の地方分権を考えるのには、まだまだ道のりは険しいのではないでしょうか。
そして、各州や各市で特色ある決め細やかな地域行政が行われる結果、税制や教育問題、そして住宅問題、医療や少子化・高齢化社会問題の対策が充実してくると、住みやすさや暮らし易さを求めて、他の地方からや都会から人口の移動も生じる可能性もあります。そして極端に言えば一極集中した東京の過疎化が起こる可能性もあります。ただ、今の地方にも可能性も出てきます。
国や地方の巨額な借金をこれからの子ども達に、ただのし掛かるだけの社会では新しい時代は築けません。今こそ若い世代の私たちが真剣に自分の未来や国の将来のことを考え、何か行動を起こさなければなりません。
明るい社会を創造し豊な社会を目指して・・・。